東京都は2020年の東京オリンピック開催に向けて有料で英語の観光案内をするタクシー運転手の育成を始めます。

通常は通訳案内士の国家資格が必要ですが、構造改革特区を活用し、都の研修を受ければ資格を得られる仕組みを整えます。

2020年の東京五輪・パラリンピックまでに約300人の「特例ガイド」を育て、急増する訪日外国人客が便利に都内を観光できるようにする。

kankou_white_family

外国語での観光案内

タクシーで外国語による観光案内をして料金を受け取るには、運転手が通訳案内士の国家資格を取得するか、通訳案内士に同乗してもらう必要があります。日々の乗務が忙しい都内のタクシー運転手が、国家資格を取得するのは難しいため、都は構造改革特区法による「特例ガイド制度」を活用し、より簡便な研修で担い手を増やすことに。
観光庁の検討会に都が示した資料によると英語能力試験(TOEIC)600点相当の語学力がある運転手が対象で、8日間(56時間)の研修を通じて東京の観光知識や英語のほか、車椅子や高齢者の介助方法などを身につけてもらいます。もちろん観光地での実習もおこなわれます。修了後、面接試験に合格した人に特例ガイドの資格が与えられます。
都は6月に特例ガイド制度の国の認定を受け民間事業者にテキストやカリキュラムの作成を委託し、通訳案内士の資格を持つ人を講師として招きます。

16年度中には第1期のガイドを誕生させる計画。


タクシー観光は費用がかさみますが、バスのツアーと違って一人ひとりの要望に応じられる強みがある為、訪日客にとっても定番の観光地だけでなく買い物や伝統工芸の制作体験など、自分が行きたい場所だけを効率よく回れるというメリットがあります。
今後、タクシー運転手が有料で英語ガイドに応じられるようになれば、五輪に向けて急増が予想される訪日客の利便性が高まる事は間違いないでしょう。
都内の業界団体の東京ハイヤー・タクシー協会は、15年から英語で観光案内する能力を持った運転手の育成を始めています。ただ通訳案内士法の規制があるため、国家資格を取得している運転手でなければ、外国語による観光案内の料金を運賃に上乗せすることはできませんでした。
国家資格を持っていないが、英語による観光案内に意欲的な運転手は多いとみられ、都はこうした人材を特例ガイドに育成していく意向です。


構造改革特区とは

地域を限って規制緩和を進めるため、小泉政権時代の2002年に創設された。自治体が提案し、国が認定する。安倍政権が14年に始めた国家戦略特区は国も前面に出て改革メニューを策定するのが特徴で、政府・自治体・民間企業などが一体となって事業計画を作る。

 

bottom1