トヨタ自動車に批判

トヨタ自動車が配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズと提携を決めたことで批判が続出しているみたいです。

トヨタはウーバーとの提携事業は海外に限定しているにもかかわらず、国内タクシー事業者が同業界を脅かす存在であるウーバーと手を組むトヨタに強く反発しています。トヨタは2017年に次世代タクシーを市場投入して、国内タクシーのほぼすべてをトヨタ車にするという野望を持っているだけに、タクシー事業者の反発に戸惑っています。

トヨタ側は?

「今回のトヨタとウーバーとの協業は、協業エリアに日本を含まないことをウーバーとの覚書の中に明記しており、日本での協業は考えておりません」

全国のタクシー事業者の業界団体である全国ハイヤー・タクシー連合会が6月23日に開催した通常総会で、トヨタはウーバーとの提携について釈明する文書の配布を要請する異例の措置を行いました。

トヨタはまずウーバーのサービスを行うドライバーに、トヨタ車をリースし、ドライバーが稼いだ収入からリース料金を支払ってもらう。また、トヨタはグループとしてウーバーに戦略的出資を行うといった取り組みをしています。

 

国内では実験中止

ウーバーは2009年に米国で創業し、現在70カ国・地域の450以上の都市でサービスを展開しています。しかし、配車サービスの普及によって深刻な打撃を受けるタクシー業界が各地で強く反発しており、米国ではすでにタクシー会社が数多く倒産に追い込まれているようです。

日本では昨年、ウーバー・ジャパンが福岡市で配車サービスの実証実験を実施しようとしたところ、国土交通省が「白タク」行為にあたる可能性があるとして「待った」をかけ、中止に追い込まれました。

その後、ウーバー・ジャパンは富山県南砺市と配車サービスの実証実験を実施する計画でしたが、地域のタクシー業界の反発でこれも中止に追い込まれました。

業界側の反応

ウーバーの日本上陸に神経を尖らせている国内タクシー業界は、世界最大の自動車メーカーであるトヨタがウーバーと提携するとのニュースは驚きを隠せません。大きな影響力を持つトヨタが、配車サービスの普及に本腰を入れれば、タクシー需要を奪われるのは確実といえるからです。

そこでウーバーと手を結ぶトヨタに対して、業界内では日を追うごとに批判する声が高まっています。

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トヨタ側の反応

ただ、当初からトヨタは、ウーバーとの提携は日本を対象外としており、国内タクシー業界は、多くの都市部でタクシーの供給過剰問題に頭を痛めていることもあり、こうした状況のなか、配車サービスが普及すると、需要減少でタクシー事業者の経営が立ち行かなくなる可能性も有ります。

タクシー業界の想定以上の強い反発に焦ったトヨタは、業界団体の集まる場で、ウーバーとは日本国内では協業しないと改めて明言することにしました。トヨタが焦った理由は、前述のとおり国内のタクシー車両の「オールトヨタ」化を進める計画の障害になりかねないからです。

多くの訪日外国人も利用するタクシー車両は、「日本を代表するクルマ」であり、これをすべてトヨタ車とすることで、日本がトヨタのお膝元であることを改めてアピールしたい考えです。

誤解と解いて回る

こうした大事な時期にトヨタにとって重要な顧客であるタクシー事業者との関係悪化はなんとしても避けたいところ。そこで全国のタクシー事業者の首脳が集まる場で「誤解」と説いて回りました。

ただ、タクシー事業者からは「協業は海外だけといっても、海外の同業者を苦しめるのに手を貸す自動車メーカーに好感を持てるはずがない」(業界筋)と批判する声もあります。しかも、トヨタは国内で強い影響力を持つだけに、規制緩和で配車サービスが本格的に解禁となれば、トヨタが「後ろで糸をひいた」と思われるでしょう。

次世代タクシーを視野に国内のタクシー業者との和解か、それとも成長が見込まれる新サービスに肩入れして新しいビジネスを展開するのか、トヨタの動きも気になるところです。

 

 

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